粒径コントロール

ナノマイザーによる微粒化には、単純に物質を微粒化(ナノ化)していくだけでなく、ジェネレーターの種類や添加剤、処理圧力、処理回数等を調整することで、粒径コントロールを行うことが出来ます。
ここでは例として、リポソームの粒径コントロールをご紹介いたします。

■ リポソーム

リポソームとは、生体膜由来のリン脂質が形成する二分子膜から構成される閉鎖小胞体(ナノカプセル)のことです。その構造の生体膜との類似性から、薬物のキャリアとして期待されています。
またその用途によってさまざまなサイズのものが必要とされていますが、モノモーダルでシャープな粒度分布を得ることが難しいのが現状です。

       リポソーム構造

当社のナノマイザー技術ノウハウによれば、粒径をコントロールし、
様々な粒度分布のリポソームを得ることが可能です。

【 メディアン径 30nm の例 】

リポソーム工程

粒度分布 目視観察

■ 粒径制御されたリポソーム抗がん剤

抗がん剤をがん細胞に直接作用させるべく、リポソームに有用成分を包み込んだ抗がん剤の開発が進められています。がん細胞は新生血管を生成し増殖します。通常の毛細血管に対し、新生血管の管径は約2倍あります。その為、ナノマイザー技術で毛細血管より大きく、新生血管より小さく粒径をコントロールすると、血中に投与した抗がん剤をがん細胞のみに作用させることが出来ます。すなわち副作用のない大変効果的な抗がん剤が可能となります。