ナノ化
ナノマイザーによる微粒化の効果は、表面積を広げることによる「表面積効果」と、サイズを小さくすることによる「サイズ効果」の2つに分けられます。
表面積効果では「付着力の増加」「反応効率の向上」など、またサイズ効果では「透明度が増す」「均一に混ざる」「沈殿しにくい」「吸収しやすくなる」などが挙げられ、様々な分野での応用が期待出来ます。
以下に、サイズ効果と表面積効果の事例を簡単にご紹介いたします。
■ 豆乳等固形分含有飲料の “飲みやすさ” の改善
一般の豆乳は、砕いた大豆を十分に浸漬し成分を抽出した後、オカラを分離、除去して作られます。一方で大豆を微粉砕し 10 数%を水に分散させ、オカラを除去しないものがあります。これらのオカラは栄養豊富であり、後者の製法が望まれますが、大豆固形分の粒径が大きく大変飲みづらい為に前者の一般的な豆乳が好まれています。
ナノマイザーで豆乳を処理すると、オカラを全て含んだ状態で美味・廉価な飲料となります。また、きわめて良好な分散状態となる為、分離等に関して大幅な安定性向上が望める他、今まで困難と思われていた高濃度・低粘度の豆乳製造が可能となり、製品の幅を大きく広げることが出来ます。
これらの技術は野菜ジュース等の固形物含有飲料への応用も可能と考えられます。
■ その他の可能性について
【メイク用化粧品 “ファンデーション、口紅等” の化粧ノリ、化粧モチの改善】
ファンデーション、口紅等のメイク化粧品は長時間落ちないことが重要です。メイク化粧品は主に顔料と基
材から構成されていますが、これらの成分がより細かければ表面積が増加し肌との接着が良くなります。
ナノマイザーにより微粒化することで、“化粧ノリ”“化粧モチ”を大幅に改善したメイク用品の開発が可能と
なります。
【植物油中のレシチン分離】
大豆油等の植物油はその製造過程においてレシチンが含まれており、その酸化作用により安定性が損なわれ
てしまいます。一方でレシチン単体は医薬品、化粧品、食品等で有用である為、分離することが出来れば植
物油の品質向上とレシチンの有効利用が可能となります。
ナノマイザーにより植物油中に水を細かく分散させると、レシチンと水が効率よく水和します。これを遠心
分離することによりレシチンを回収することが可能となります。
【飲料缶内壁塗装】
現行の飲料缶は飲料と金属缶(アルミ、鉄)を遮断する為、管内部に厚さ 10μm 程度のペット樹脂塗料を塗
布しています。この厚みは従来技術において塗装にピンホールが出来ない最小厚です。しかしながらこの厚
さ故に開缶時に塗装が剥離し飲料内に混入する恐れがあり、もっと薄くてピンホールのない塗料(塗装)が
必要とされています。また塗装厚が薄くなればコストも下がります。
弊社で、某大手製缶会社と共同研究を行い、ナノマイザー技術によりピンホールのない 1μm の塗装厚を実
現しました。今後、缶内部の塗装での需要が見込まれます。