ナノマイザー技術
ナノマイザーとは、高圧湿式メディアレス微粒化装置です。
一般的に微粒子を製造するためには、メディア(ビーズ等の媒体)を利用し、原材料である粗粒子を機械的な力で押しつぶすか、高速撹拌せん断力をを利用する方法が用いられています。しかし、ナノマイザーは原材料そのものを使用した微粒化方法を用いているため、従来の方法で問題となっていたメディアの摩耗によるコンタミ(異物の混入や汚染)等がなく、多くのメディアミルとは異なった性質を持つ所に特徴があります。
現在、弊社技術に類似した技術が多数出てきていますが、先駆けて開発してきたことによる優位性(特許取得、加工技術、ノウハウ)から他社の追随を許していないNo.1の微粒化技術です。
■ 従来技術との比較
ナノ物質を製造する方法は、大きく2つの方法に分けられます。その一つがボトムアップ方式です。ボトムアップ方式は原子や分子(0.1-10nm)を一つ一つ正確に組み合わせ、新しい機能を持った材料を作っていく方法であり、主に化学系の分野で用いられます。それに対し、もう一つの方法がトップダウン方式です。トップダウン方式は、物質を原子論的にみた集団的変化の方法論を利用して、微細にこれを再編成するものであり、機械・電子系の分野で用いられます。ナノマイザーは、トップダウン方式であり、多種多様の物質を物理的に超微粒化することが可能です。
ナノマイザーは、この物理的方式の中の湿式微粒化技術に分類されます。
撹拌 |
ボールミル・ビーズミル |
ジェットミル |
ホモジナイザー |
上記の技術は、「圧縮力」「せん断力」「衝撃力」「摩擦力」の4種類、更にこれらの組み合わせからなる外力を与えることで破壊して微粒化するものですが、ナノマイザーはこれらの外力に加えキャビテーション効果を活用することにより、従来の湿式微粒化技術では成しえなかったナノ領域での微粒化を可能にした技術です。
「圧縮力」 「せん断力」 「衝撃力」 「摩擦力」
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キャビテーション効果
キャビテーション効果:
高速で流れる液体中の圧力の低い部分が気化して、非常に短い時間に蒸気のポケットが生まれ、また非常に短時間でつぶれて消滅する現象
古くはキャビテーションが船舶のスクリューを極度に劣化させるなど、負のエネルギーとして注目され研究されてきました。当社は逆転の発想によりこのエネルギーを微粒化に応用すべく、20年以上に亘りキャビテーションに着目した微粒化方式を開発してきました。
ナノマイザーのコア技術であるジェネレーターは、このキャビテーションを効果的に発生させる特殊な構造と、それに耐えうる材料加工技術を長年にわたり研究開発した結果生まれたものです。
(ジェネレーターについての詳細)
■ ナノマイザーの構造について
ナノマイザーの原理は、試料を高圧ポンプに送り込み高速流を作り出し、特殊なノズル(ジェネレーター)を通過させます。その時に発生する超高速せん断力・衝撃波・キャビテーション等の作用により乳化・分散・破砕を行います。(ナノマイザーの原理についての詳細)
■ ナノマイザーの特徴
ナノマイザーには、以下に示される9つの特徴が挙げられます。
◆ コンタミレス(微粒化プロセス中の異物発生・混入(コンタミ)が少ない)
◆ 乳化・分散・破砕が1台でしかも同時に行える
◆ 少量のサンプルでも処理が可能(6mL)
◆ 均質な粒径が得られ(粒度分布がシャープ)、粒径設計がしやすい
◆ 低圧から高圧加工まで圧力幅が広いので、多目的に使用できる
◆ エネルギー効率が非常に高いため、短時間での微粒化が可能
◆ メディアが不要のため、メンテナンス、ランニングコストが安い
◆ ラインに組み込めるため、連続プロセスに対応できる
◆ 装置の小型化が可能
< 留意点 >
・ 処理圧力に比例して、温度上昇する(約0.22℃/MPa 水換算値)